Outlookでオンラインアーカイブ(インプレースアーカイブ)を使ってみた

2022年7月のM365内Outlookクライアント(バージョン2205)を使ってのオンラインアーカイブの試用レポートです(個人またはドメイン全体でのオンラインアーカイブの有効化は、管理者に依頼ください)。

オンラインアーカイブについて

  • メールボックス内のメールをオンラインアーカイブに移動することで、メールボックスの空き容量を確保することが出来る
  • 通常のメールボックスは、キャッシュ期間(社内ポリシー等で規定)分のローカルキャッシュ内のメールは読めてしまうが、オンラインアーカイブ(インプレースアーカイブ)には、有効なログインIDが無いとアクセス出来ない
  • このため、端末紛失対策にも有効

アーカイブポリシーが適用されている場合

  • ポリシーに従い、O365内でメールボックスからオンラインアーカイブへのファイル移動動作が行われる
  • 上記処理はO365内での処理なため、Outlookクライアントの動作に影響が発生することはなく、クラウド内部で処理が完結するため、ソコソコ速い
  • コピー先にメールが保存されるタイミングと、コピー元からメールが削除されるタイミングが微妙にずれる場合があるので、移動が完了したと思われるまではフォルダ操作は行わない方が良い

注意点

  • 本作業を行う前に、ゴミ箱の中身は綺麗にしておいた方が良いと思います
  • WindowsSearchの対象からOutlookオブジェクトを(一時的にでも)外しておくと、処理が速くなります
  • 削除済みアイテム内の不要なオブジェクトはOutlookクライアントで削除ください(Web版クライアントで消そうとすると、コピーが作成されて消せない時があるようです)
  • 処理を速くしようとOutlookプロセスの優先度を弄ぶのは良くない感じです(アンチウイルスソフト等が着いて来れない?)
  • (組織のポリシーで規定している場合等)毎時数十MBのイベントログを吐くので、システムドライブの空き容量をそれなりに確保ください
  • (組織のポリシーで規定している場合等)デバッグログを数分で100MB以上吐きますので、システムドライブの空き容量をそれなりに確保ください(こちらは規定された世代分作成され、古いものから消えて行きます)
  • 数分~30分程度、Outlookクライアントの応答が無くなる場合があります
    この状態でスクリーンセーバーやスリープ状態に落ちると復帰出来ない場合がありますので、時々マウスを動かす等で常にデスクトップが起きているようにしてください
  • 自宅にて作業する場合で、組織のポリシーで各種管理端末にログを投げる場合は、規定の方法で社内に繋いだ状態での作業をお勧めします
  • 作業中に dwm.exe がメモリリークを起こして(利用メモリ数が3G~8G程度になる) explorer がクラッシュする場合がありますが、PCメーカー提供以外のディスプレイドライバへの更新は避けた方が良いかも知れません

作業を途中で中断するとき

作業中の状態が保存され、次にOutlookクライアントを起動したときに、再開されます。

但し、OSのシャットダウン時に『Outlookがシャットダウンを妨げています』のような表示が出た場合は、Outlookの終了が正常に完了するまで待って下さい(シャットダウン前にタスクマネージャーのリソースモニターで、Outlookプロセスが完全に消えるまで待った方が良いです)。

同期の強制再開

何らかの理由で作業を中断(Outlookクライアントを終了)し、再開後に同期が走らないように感じた場合、対象フォルダ内のメールを一つ掴んで、どこかに移動し、すぐに元の場所に戻してみて下さい。

暫く待つと同期が始まります。

手動で移動する場合の注意点

様子を見ながら(自環境の処理速度を観察しながら)少しずつ流してみてください。

途中で中断すると、重複メールが(それなりの数)発生する場合があります。

  • .pstファイルからオンラインアーカイブへの『メール単位』での移動
    • ローカルPCに対象となる全メールのインデックス情報?がダウンロードされる
    • .pstファイルの処理中の部分に作業中のフラグが書き込まれる?
    • ファイルコピーのような動作
    • 移動中はOutlookがクライアントがそれなりに重くなる
    • 移動完了後、数分~数十分後に、.pstファイルから移動済みのデータが削除される
  • .pstファイルからオンラインアーカイブへの『フォルダ単位』での移動
    • ローカルPCに対象となる全メールのインデックス情報?がダウンロードされる
    • .pstファイルの処理中の部分に作業中のフラグが書き込まれる?
    • 1,000メッセージずつ移動される
    • Outlookクライアント上の進捗バーも1,000メッセージ毎に0%に戻る
    • ファイルコピーのような動作
    • 移動中はOutlookがクライアントがそれなりに重くなる
    • 移動完了後、数分~数十分後に、.pstファイルから移動済みのデータが削除される
  • メールボックスからオンラインアーカイブへの移動
    • キャッシュされていないメールは一旦ローカルPCにダウンロードされる
    • 移動中はOutlookクライアントがかなり重くなる
    • 10メッセージずつ移動される
    • 複数選択した対象メールのうち、一部の選択が外れる場合がある例えば、
      1. 複数日数分を選択し、移動してみると、数日分しか移動されない
      2. 取り残された分を再度選択し、移動してみる
      3. 移動が成功する場合と、『移動できません』のようなエラーになる場合がある
      4. エラーになった場合でも、少し(20~50通)ずつであれば移動可能(再度失敗する場合、対象となる量を減らして再度試行)
      5. Outlookクライアントがハングアップした(『応答なし』が出る)ように見える時がままあるが、裏で処理が走っているので、制御が返って来るまで待つこと

重複したメールの削除方法

  • 対象フォルダを右クリック → フォルダーのクリーンアップ

以上です。